人間失格 太宰治  マサキ

教科書とかで一部分だけとかは読んだことはあったのですが、きちんと全文読んだのは今回が初めてです。


昔のものなせいか、ちょっと文章が読みづらかったです。
と言ってもほとんど現代と変わらないんですけど、私の語彙が少ないせいかもしれません。


主人公はすごくカッコイイだめ男でした。
ただ現代のダメ男とは違って、自分の感情の裏側や、他人の感情の裏側を意識しすぎてしまう人なんですね。
「今私は作り笑いをしている。本当に楽しくて笑っているのではない。周りの人を騙しているんだ、嗚呼、私はなんて汚い人間なんだ」
みたいな方です。
こういう気持ちって誰しもが少しは持っていると思うんですよ。それを超強烈にしたのがこの主人公。
中々に厨ごころを刺激されるカッコイイ設定です。


ある男に対する説明を「ああー、あるある、あるよね」という感情で読んでいる気分でした。
他人の共感を呼んで、それで楽しませるような作品なのかなぁ、と思います。
だからまったくマイナス面思考ではない人が読んだ場合、どういう感想になるかは想像できないです。
「なにこいつ、何いってんの。まったく理解できない」と否定するか
「へえ、こういう人もいるのか」と関心するのかは判りません。
ですが、太宰は現在でもファンのたくさんいる作家です。
今でも太宰の命日はたくさんの人がお墓に訪れるそうですよ。
それだけ中毒性や共感性が高いのかも知れませんね。
死亡したその日ではなく、死体が発見された日が「桜桃忌」と呼ばれる故人を偲ぶ日になっているようです。
奇しくも、死体が発見された日は誕生日だったとか。



すごい作品読んだはずなのにこんな感想ですみません。