「海辺のカフカ上」 村上春樹 ★3 (陽輔

 はい。久々に書評でもと思いまして。描かせていただこうと思います。
 最近は一日一冊のペースで読んでいるのですが、やっぱり村上春樹さんの作品はぬるぬる読める。
 読みやすいというのもありますが、読みやすいというより、自然に頭に入ってくる独特のテンポというのが個人的見解であります。

 彼はファンタジーと、現代物の中間地点を描く事が多いですね。
 この物語は現代物ですね。ただ、少しSF要素が垣間見えたりもしますが。
「世界でいちばんタフな十五歳」でなくてはならない少年。
 父親に告げられた予言から逃げるようにして、田村カフカとなのる少年が家出をしていく物語。
 それとナカタさんという、老人の二人の視点から物語が綴られていきます。

 二つはまったく別の視点から、物語の後半部でようやく繋がりを見せていきます。

 村上さんの作品は描いている事実自体は非常に現実的な物を描いていくのですが(会話は別として)、その行道や状況はすごく象徴的な物を描いてる作家さんに思われます。
 森林で一人きりで生活をする少年。時間という物にとらわれず平和に生活を続けていくナカタさん。

 現実的な問題を抱えていながらも、そこには読者が入り込む余地を残していると言いますか……。

 毎度の事ながら、彼の書評を書きたいと思い、文章にしてみてはみるものの、なかなか的を射るという事が出来ないですね。書評ってものは、本を読んだ人がちらりと他の人の意見を聞く時や、面白そうかどうかを確認するために見るものだと思うのですが。

 村上さんの話は凄く、捕らえづらい。 それこそ二章ほど物語を読んで、受け付けるか受け付けないか。
 そんな作家さんな気がします。純文学ってのはそういう傾向が強いと思うんですけどね。

 とりあえず、細かい突っ込みは下を読んだ時にでも。
 まとまらない文章を読んでいただきありがとうございました。